産業技術センターでは、染色工程でバナジウム(V)化合物を添加することにより、天然繊維に光吸収発熱保温機能を付与する染色技術を開発してきた。
この技術は既に特許を取得し、県内企業により従来の合成繊維では実現できない高い機能を有した新製品開発に活用されているが、調色の容易化や機能性の更なる向上が喫緊の課題となっている。
製品の色や機能性は、繊維上のVの化学構造が大きく関与している可能性がある。
そこで本研究では、TEMPO酸化した繊維構造の明らかな改質レーヨンを基材として、アミン化合物を結合させたレーヨンを作製した。
繊維上に担持されたV化合物の化学構造を電子スピン共鳴分析法で調べ、繊維の色および機能性を比較検討した。
その結果、染料の化学構造制御を行うことで、課題(調色の容易化と機能性の向上)を解決できる可能性が示された。
ショールーム
投稿日:2024年10月23日
バナジウム染色加工製品の高品質化に関する研究
地場産業
山梨県産業技術センター
上垣 良信