本研究は超音波による物体の変形を利用した伸縮機構の開発である。外部から特定周波数の超音波を加振することで機構内部の振動体が変形し、内部構造が動作することで伸縮動作を実現する。最大の特徴は人体内部での運用が可能な点である。超音波は人体を通過しやすく、器具を人体に埋没しても性能低下が少ない。また、超音波は超音波診断装置という形で古くから用いられており、人体への影響評価が十分に行われている。その為、人体への影響を評価しつつの運用が可能である。本手法は主に脊椎への運用を目的としているが、人体内部に器具を埋没するあらゆる手法への応用が可能である。器具の調整に伴うリスクを軽減できる可能性がある。